夏の始まる頃。38歳になる結城美枝子は、その身体が満たされていない事を感じていた。夫である啓介は何不自由なく養ってくれている、ただその一点を除いては…。一方、美枝子の友人である友田夏美は、自分と同い年にも関わらず、10歳以上も若い男、三崎ユウヤとの不倫を愉しんでいた。仲睦まじそうに寄り添う夏美とユウヤの後姿を見つめる美枝子は、そんな二人の、激しく、汗にまみれた行為を想像し、自らの手で火照りを鎮めることしか出来なかった…。夏美から愛人との情交の激しさを聞いた美枝子は、淫靡な妄想に没頭しながら歩いていると、よそ見運転で近付く自転車に気付けず、接触事故を起こしてしまう。その相手は、美枝子の好きなラベンダーの香りのする青年だった。別れ際、名前を教えあう二人。彼は秋月イツキと名乗った。数日後、接触事故が原因で腰を痛めた美枝子を心配した夏美は、ユウヤの後輩の整体...
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